―――子守歌―――
瑠美那「おカミさん、例のカルビーセクハラ事件って何?」
カルネシア「そんな生々しい話じゃない、お前が聞いても仕方がない話しだ」
ヴァレスティ「まあそう言うな。酒のつまみにはなしてやる。カルネシアも飲んでいけ。どうせならお主が話すがいい」
彼はつい、酒につられてしまった。
カルネシア「話すにしてもどこから話すべきだ」
ヴァレスティ「私が途中まで。この男、昔に惚れこんだ女がいてな。その女の為にこっちに移りすんだのだ。」
瑠美那「カルビーにもそんな時代が…」
それから彼がため息混じりに話しはじめる。
カルネシア「リリィ」
彼が名を呼ぶと、窓辺でぼんやりしていた女性が顔を上げた。
「カル!もう戻ってたの、お帰り」
彼女は大きな瞳を広げ、栗色のやわらかそうな髪を整えた。
リリィ「恥ずかしいところ、みられちゃった」
カルネシアはそう言って笑う彼女に歩み寄り、その髪の直りきっていない部分を直す。
リリィ「ありがとう」
リリィは彼の唇に唇でふれた。
親族に歳はあまり関係ないが、まだ成人ではない青年と体も豊満な成人女性では、釣り合いにくい図だが、二人の姿は“幸せ”そのものの姿だった。
カルネシアは何故か他神族に避けられていた。
彼に関係あるらしい『セリシア』と言う女が、恐れと異端視を向けられる原因らしい。
だが今はどうでもいい。初めて自分の心に触れてくれた人と、結ばれていられる。
リリィ以外目に留まらず、彼女さえいれば何もいらなかった。
…それが、偽りだとしても…彼はリリィを手放したくなかった。
「愛してる」と言ってくれた人。
その声を、カルネシアの心にいつまでも刻んでいた。
リリィ「カル」
寝台のカルネシアの腕の中で、彼女が眠たそうな声を出した。
リリィ「カルは軍に入らないの?」
カルネシア「何故」
リリィ「だって…軍は何よりも出世できるきっかけだし、カルは強いんでしょ?」
彼は黙りこんだ。
リリィ「せっかく強いのに、発揮しないのはもったいないわ。ディーノ隊なんかどうかしら」
カルネシア「…わかった」
彼女はほほ笑み、彼の肩に頭を乗せた。 甘い香が漂う。 カルネシアは彼女の前髪に頬を埋め、その香を楽しみながら目を閉じた。
…それで彼女が喜ぶならなんでもできる。
リリィを抱いていられることが、彼の存在意義だった。
その後、彼女の勧めた軍に入り、特に熱意などなく、適当に勤めた。
それでも、生まれながらの強さの為に、多くの敵軍を倒し、その度に強くなって昇格した。
けれど遠征が多く、リリィに会える時間が減った。
虚しいような感情を紛らわすために、無茶な進撃をし、その度にまた強くなる。
そしていつからか、帰ってきても、リリィは二人のどちらの住まいにもいないことが増えた。
寂しいとか、そんなふうには感じない。 ああ、またいないか。漠然とそう思うだけだった。
そして、心に穴が開いていく…そんな感覚があった。
カルネシア「すまないが、聞きたいことがある。」
リリィ以外の者に自ら話し掛けるのは久しぶりだった。
その神族は目を丸くしたが、何か、と返してくれた。
カルネシア「リリィ…リリィネスの居場所か…様子を知りたい」
もしかしたら、彼女は男禁制の場所へ行ったのかもしれない。主人によって、そうゆう場所があるのだ。
だから女神に聞いた。
「ああ、知っているよ。」
そう言っただけで、相手は言いにくそうな顔をして思い悩んでいた。
カルネシア「何かあったのか?」
「いや…彼女は元気だよ。…ディーノ殿の領地にいる。」
カルネシア「そうか…」 わずかに彼の顔が曇ったようだった。
嫌なことを考えてしまった。
彼女はたいして有能でもない、軍も良いとは言えない、ディーノ隊を勧めた。
そして彼女自身はディーノの領地に。
その人物の領地と軍隊は全く関係ない。その主人の隊の軍人だからといって、無断で領地に入っていいわけでもない。
リリィはカルネシアのことを思い、ディーノのもとへ行った訳ではない。
ならば…
「気を落すな」
女神が言った。彼が顔を上げたら、彼女は軽く笑って肩を叩いてくる。
―─励まされた?
まだ確信がなかった。
カルネシアはリリィに会いにディーノの領地を訪れた。
閑かな自然の中で、寄り集まった神族達が暮らす。
彼は神王が直接統率するアスガルド以外の領地の様子を見たことがなかった。
こうゆう、自由な生き方も良いかもしれない。
そんなことを考えていたとき、聞き慣れた声がした。
気付かれないように気配と足音を消して、声の方へ歩み寄る。
気の影から少し乗り出せば、他の者達と戯れるリリィが見えた。
しばらくそうしていた。彼女の前へ出ていく気になれなかった。ただ彼女達の会話に耳を傾ける。
「リリィ…アスガルドの彼とは別れたの?」
リリィ「ああ、まだよ。」
彼女がけだるそうに言うのを聞いて、自分の中の何かが傷ついた気がした。
「早く別れてあげたら?ディーノ様一筋なんでしょう?」
リリィ「まだダメよ。軍から抜けられたら、私が体を張った意味がないじゃない。しばらく放っておくわ。見目は良いし、そのうち新しく女ひっかけるでしょ」
やはり、とカルネシアはため息をつく。
リリィにとってカルネシアは、ディーノへのプレゼントだったのだ。
前々から多くの隊に誘われていた。ディーノもその一人だったのだろう。
「私も、リリィみたいに綺麗で度胸があればなぁ」
「“あの”カルネシアをひっかけにいくなんて言い出した時にはかなり驚いたけどな」
まわりの神族が口々にそう言うのを聞いて、リリィは得意そうに笑った。
リリィ「しょせんは子供。単純で楽だったわよ」
カルネシアはその会話をぼんやりと聞いていた。
どうせ彼女は本気で自分のことを思ったりはしないだろう…と、始めから…ずっと思っていた。
それでも、もしかしたら…と思う自分がいた。
そして、その結果であるこの状態は、なんて情けないものか。
例え偽りの愛でも、自分には他に何もなかったからすがりいた。
もしかしたら、全てを捨ててでもつくせば、手に入れられるかもと…
気分が悪かった。しばらく治りそうもない吐き気。頭がボーっとする。
カルネシアは気付かれないようにその場を離れた。
「やあ、失恋したか?」
住みかの扉の前に女神がいた。彼がリリィの居場所を聞いた人だ。
カルネシア「失恋?」 と、言うものなのか、この状況は…。
「落ち込んでるんではないかと思ってな。良い薬を持ってきた」
彼女は大きめの薄緑の瓶を持っていた。
カルネシア「くれ。気分が悪い」
「無防備だな。毒かもしれないのに」
カルネシア「それでもいい」
今すごいことを言った気がする。
それでも…そう思ったのだ。
「まぁ、中で飲もう」
カルネシアは全く警戒せずに扉を開けた。
入ってすぐ、窓辺の椅子に目が行ってしまうのは、リリィがいつもそこにいたから。
それに気付くと、早く“薬”とやらを飲みたくなった。
ソファに腰掛け、早く、と唸るように告げた。
「まぁ、慣れていないお主なら、これ一本飲めば十分だろう。」
杯に注がれ、それをためらわずに飲み込む。
飲んでから喉と胃が熱くなる。本当に毒かと思ったが苦しくはない。
彼女の、これ一本飲めば、という言葉を思い出し、また杯にそれを注ぐ。
瑠美那「カルビーにもそんなハートブレイク経験あったんだな。意外だ」
「今にも泣きそうに酒を飲みまくる姿は可愛かったぞ」
カルネシアは何か言いたげだが眉をひそめて黙っている。
瑠美那「え、その神族っておカミさん?しかも薬って酒?」
カルネシア「ああ」
瑠美那「偶然の出会いなんだな。じやぁ続きどうぞ」
カルネシア「…」
言いにくそうに話しだすのは、もうすぐ“おカミさんにセクハラ事件”が関係しているのではなかろうか。
カルネシア「…っ」
目を覚まし、起き上がろうとしたらひどい頭痛を感じた。
「気分はどうだ?」
あの女神は、まだ側にいた。
彼が寝ているのは自室のベットの上。
いつも隣にはリリィが寝ていたが、今は見知らぬ女が偉そうに座ってこっちを見下ろしている。
カルネシア「…悪化したぞ」
「後遺症のようなものだ。直れば少しはスッキリしているさ。」
気分はめちゃくちゃ悪いが、さっきに比べれば冷静でいられそうな気がした。
カルネシア「……あんた、誰だ」
今更ながら気になった。
「名か?それとも会ったことを忘れたか?」
カルネシア「名だ」
「ヴァレスティ」
聞き覚えがあった。ディーノ隊にいたときに、隣によく並んでいた、隊の名前だった。
カルネシア「第一級神か?」
ヴァレスティ「驚かないな。まぁ、そんなだからかまってしまったのだが」
カルネシア「こんな所にいていいのか」
ヴァレスティ「私の軍は私が直接指導しているわけではないからな。戦争が起こるまで暇人だ」
もしかしたらまた入隊の誘いか、と思った。
それでも、どうでもいいことだ。
ヴァレスティ「女は一人じゃない。たった一人に振られただけで落ち込むな」
カルネシア「…リリィはただの女じゃなかった」
不思議と、何も考えていないのに口を突いて出た。
カルネシア「俺の道標だった。あいつのもとが帰る所だった。」
そういってから、もう彼女はいない事実に泣きたくなった。腕で目元を隠した。
ヴァレスティ「誰でも惚れた人をそう思う。おぬしは家族も友もいないからそこまで絶望的になるのだ」
目元を覆う腕を退かせば、やはり泣いていた。
恋人を失って泣く男、と言うよりは、母親を失って泣く子供に見える。
ヴァレスティ「ま、友くらいには私がなってやる。それはさておき」
カルネシア「勝手に決めるな」
ヴァレスティ「おぬしは一度恋愛事から離れたほうがいいかもしれんな」
カルネシアの言い分は無視された。
勝手に自分の生き方を決められているのが妙だったが、もう何もかもやる気が失せて、彼女に任せてみようと思った。
ヴァレスティ「カルネシア、子供を育ててみる気はないか?」
カルネシア「…誰の」
ヴァレスティ「おぬしの」
カルネシア「意味がわからない。何故そうなる」
ヴァレスティ「まぁ、あれだな。お前には家族や助け合う存在が必要そうだ。ホムンクルスを知っているか?」
カルネシア「錬金術の人造人間か」
ヴァレスティ「そう。お前がホムンクルスを作れば、それは子供であり、おぬしの子であり、神ではない弱い存在だ。おぬし無くして生きてはいけない。」
カルネシア「それで俺の何かが変わるのか」
ヴァレスティ「まぁ、かわらぬやもしれぬが、おぬしにとって貴重な経験にもなろう。」
彼女の発案に、何も感じなかった。
ただ面倒くさそうだったので、少し嫌だった。
ヴァレスティ「それでは、セリシアの話を知っているか?」
カルネシア「セリシア?」
そうして聞いたセリシアの話は、カルネシアの心を大きく動かした。
自分と同じであり、同じではない存在。
ただ……会ってみたくなった。
セリシアはアスガルドには近付けない。
後にカルネシアはすぐに精霊界の、過去に閉じこめられていた森へ移り住む。
たった何度目かの夜に彼女は現れた。あまりの速さに拍子抜けした。
そして彼女はキャディアスと恋仲であったこと、彼を奪われ、取り戻そうとしていること、多くのことをたくさん話していった。カルネシアは漠然とそれを聞いていた。
彼女の悲しみと怒りの大きさが理解できなかった。
だからセリシアに「少し考えさせてくれ」と返した。
そしてまた虚しさを覚える。彼女は彼が求めるものをもっていなかった。
だったら自分は何を求めているのだろう。全く分からず、がむしゃらだった。
そして、今度はウァレスティが言ったホムンクルスを…羅希を作った。
セリシアが幻翼人を犠牲にして強くなっていったのを知り、幻翼人を作った。
会ったのはかなり昔だったのに、まだセリシアは気掛かりだった。
彼女はこのままではいけない。そう思ったから、気が進まなかったホムンクルスにも手を出せたのだった。
カルネシア「それからしばらく大変だったな。すぐ泣く、煩い、目を離すと怪我はする。あそこまで不愉快になったのは初めてだった」
ヴァレスティ「ちなみに乳児は大変だろうから幼児から作ったのだ。」
それでも羅希には自分が必要だった。
成長と共に反発することが増えたがそれでもカルネシアから離れなかった。
始めは羅希をセリシアを止めるための道具のように見ていたが、次第にそれができなくなる。
どれだけ羅希に救われたか、伝える術など知らず、伝わらず、少年は離れていってしまった。
だが、カルネシアにはもう虚しさは残らない。
少年を縛ることはしたくなかったから追いかけなかった。
ヴァレスティ「おや、珍しい客だな」
久しぶりに神界、ヴァレスティのもとを訪ねた。
別に相談があるわけではない。ただ“友”として訪ねた。
客人をもてなすことがないらしく、部屋には仕事机と歩き回れる大きさのベットしかない。
二人はそのベットで酒を飲み交わす。
ヴァレスティ「さて、例の子供はどうした?」
カルネシア「家出した」
彼女はえ、と声をもらした。だがすぐに大声で笑いだした。
ヴァレスティ「やはりおぬしはおもしろいな。淋しいか?」
その話題にはそれ以上ふれず、唐突にそう聞かれた。
カルネシア「いや」
迷わずそう言えた。
彼女は嬉しそうに笑う。
カルネシア「…何故あんたは他人事で嬉しそうにする?」
ヴァレスティ「おぬしは子供が嬉しそうにしたら、嬉しくなかったか?」
カルネシア「俺はあんたの子供じゃない」
ヴァレスティ「同じようなものだ。それに、子供でなくても嬉しいと思う。」
以前は味わっていなかった酒は、今飲めば普通に美味かった。顔が火照り、体が暖まるのが心地良い。
ヴァレスティ「見たところ子供は正解だったようだな。感謝しろ」
言った直後、肩を押されいつのまにか姿勢を崩して仰向けにされていた。
カルネシアが彼女の顔の両脇に手をおいてこちらを見下ろしていた。
ヴァレスティ「…なんだ?」
カルネシア「礼だ」
あっけらかんと言い放つ彼に、ツッコミを入れたくなった。
頭の後に手が回る。
ヴァレスティ「おぬし、これは無知故の行動か?それともおぬしにも人並みに欲があったということか?」
彼は首を傾げた。前者らしい。
ヴァレスティ「リリィネスがこれで喜んでいたか?」
頷く。
ヴァレスティ「ド阿呆」
彼女は心底呆れたため息をつく。
ヴァレスティ「とりあえず退け。私を愛していない男相手に喜べるほど軽くはないぞ」
カルネシア「…愛してるぞ」
そうきたか。
ヴァレスティ「友情の好きと愛情の好きを区別せい。大体おぬしは世間知らずにも程があるわ。こーゆーことは気軽にやるもんじゃない」
しばらく間が空く。
カルネシア「それは分かったが…お前異常に顔が赤いぞ」
ヴァレスティ「おぬしがさせとるのだ!!!」
瑠美那「うわカルビー変態!!」
私のあまりの反応に、カルビーがワインを吹き出しかけた。
ヴァレスティ「その後長時間たっぷりこってり説教してやった」
瑠美那「えー、何おカミさん結局カルビー振ったの?もったいない」
ヴァレスティ「私は生涯男は一人と決めているんだ!」
瑠美那「そういやさ、リリィはどうしたの。」
カルネシア「…俺の恥の話なのに、余計な部分か入りまくってる気がするんだが」
瑠美那「いいんだよ別に」
カルネシア「…その日はヴァレスティのとこに泊まって」
瑠美那「やっちゃったか!」
ヴァレスティ「ずっと説教だ!!」
カルネシア「帰りに、リリィに会った。俺が神界に戻っていると噂を聞いてきたみたいだった」
リリィ「カル!」
久しぶりに見た彼女は美しかったが、冷静に見なおすと、男遊びが激しそうだった。
彼女にあっても冷静でいられたのは、ヴァレスティと羅希のおかげだと思う。
ずっと気にしてなくて、あーこんなのいたな、とか思った。
リリィ「よかった。お友達の所へ行っていて、帰ったらあなたがいなくて…」
でも綺麗な瞳が涙で潤む。
今更そんなの見てもなんとも思わなかった。
むしろ呆れた。
カルネシア「ディーノは?」
彼女が一瞬言葉につまった。
リリィ「知ってたのね…ごめんなさい…彼とは別れたわ」
自分の非を認める作戦にでたか。
カルネシア「何の用だ?」
リリィ「ディーノ様のことを言いに…、あと、あなたにまだ傍にいてほしいの。カルがいないくて…ずっと…淋しかった」
小さくすすり泣きして見せる彼女に、なぜか段々腹が立ってきた。
この女に裏切られてから、自分はものすごく情けなかった。
ヤケ酒するわ、ヴァレスティに泣くとこ見られるわ、羅希育てに苦労するわ、呆れるまでの説教されるわ……。
なのに、こいつはのうのうとこんな事をいっている。
カルネシアの表情はぴくりとも動かないが頭の中では、こいついっぺん殺したろか、が連呼されている。
リリィ「カル…私、ずっとあなたの事を思ってたのよ。ディーノ様には悪いけど心の中にはずっとあなたが…」
カルネシア「うぜぇよ」
カルネシアの中で何かが切れた。
リリィが固まる。
カルネシア「いつまでカマトトぶってんだ。さっきから聞いてればいかにも言い訳臭い。
ディーノに振られたから俺で手をうっとくかってんだろ?
ざけんじゃねぇ。お前みたいな性格ブスにかまった自分を恥じるな。
こっちがせっかくお前みたいな最低女の影忘れて気分よかったのに今更出てくるな。
まだ傍にいてほしい?っざけんな勝手にディーノの所に行った時から別れたろ。」
感情に任せて罵っているうちに、彼女の顔が醜く歪んできた。
本性が出たな、と内心笑ってやった。
リリィ「…っ!」
彼女が返す言葉が無く、ついに平手を出してきた。
パァンと良い音がしたが、彼女が叩いたのはカルネシアの手だった。
カルネシア「俺に非があるか?叩かれてやる筋合いなんざない。顔も化けの皮が剥がれているぞ。」
馬鹿にしたように笑ってリリィの手を突き返した。
リリィ「あんたみたいなブ男なんかあたしの眼中にないわよ!ちょっと下手に出てやれば調子にのって!」
彼女の姿が滑稽で笑えた。
カルネシア「…リリィ」
昔していたような甘い声で囁く。
カルネシア「…醜さに磨きがかかったな」
綺麗になったな、のような響きがありながらも、最悪の言葉にリリィの口が金魚のようにぱくぱくしている。
最高に良い気分でまた神界を出た。
瑠美那「その女、ざまあみろだけど、カルビーきっついなー」
カルネシア「まあ、ガキの行動だったから反省すべきだが、本当にすっきりしたな。」
ヴァレスティ「その日が神王がまた勝手にカルネシアを森に閉じこめたのが同じ日だったから、リリィネスに暗殺されたのかと心配になったがな」
瑠美那「んでもって、リリィの更にその後は?」
ヴァレスティ「すぐに別の領地にいき、その後は知らぬ」
瑠美那「カルビーも人並みの経験してんだねぇ」
カルネシア「おかげで、どうも女が苦手になった。大半はこいつのきつい説教のせいだが」
「当然の報いだ」
瑠美那「にしても、カルビーお酒効いてる?やけに包み隠さず話してるじゃん」
私だったらちょっとふせたい話だったな。
カルネシア「俺は二度とあんな恥はかきたくないからな」
瑠美那「???」
ヴァレスティ「情けなさを人に罵られて、自分を反省しようとしたのだろう。子供の発想ではないか」
カルネシア「そうかもな」
カルビーの意外な一面を見れた。羅希も、こうゆうところを見れれば親しめると思うのに…。
カルネシア「あ、まだ礼をしていなかった」
ヴァレスティ「お、なんだ?」
私の目を憚らず、カルビーがおカミさんを一度抱き抱えるようにして仰向けに倒し、その上に遠慮なく覆いかぶさる。
再現VTR!!
ヴァレスティ「おぬしはまたそれか!やめんか!!」
瑠美那「きゃーやっちゃえ〜!」
ヴァレスティ「おぬしもあおるな!大体こいつ、目がすわって、絶対に酔ってるぞ!」
カルネシア「酔ってない…」
ヴァレスティ「そう言うやつに限って酔いまくっとるのだ!」
瑠美那「あ、カメラかビデオ無いかな〜」
ヴァレスティ「おぬしらいい加減にせんかあああああ!!!!!!!」
………おカミさんの…
女神様の怒りはすさまじかった………。
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