レアな物が埋まっているダンジョンの上に建てられたいくつもの砦、それを狙うハイレベルなギルド。
皆で共同で生活費を稼いだり、暮らしを共にする家庭のようなギルドなど、一口にギルドと言ってもいろんな形があるものだ。

そんな中の一つで、なんとなく集まってほのぼのと暮らし、メンバーは個々に狩りに行く家庭的(?)ギルドがここにもあった。




ギルドメンバーの剣士の少女、メルフィリア。
彼女はなかなか家柄が良いらしい。
彼女の兄が別荘を借してくれたらしく、とあるギルドの一同はしばらくそこに滞在することにしたが…。
その別荘の豪勢なこと…。
主なメンバー7人では全ては使い切れないので、一階の何部屋かを借り、わざわざお手伝いさんがついてくれたが、気が引けたので断ってメルフィリアの兄の元へ帰した。

 

そしてそこに滞在を始めて2日目…

ちょっと狩りに行って帰ってきた午後。
金の髪を首筋に流しているプリーストは、その別荘のバルコニーでまったりと紅茶を飲みながら本を読んでいた。
碧の瞳をそっと覆う睫毛も金。普段はそうでもないのだが、淡い木漏れ日を浴びて静かに佇んでいると、なかなかの美男子だ。
「…ッ」
彼は突然顔をゆがめて、読んでいた本を落とした。
指に痛みがはしった。
見ると、小さく赤い線が入っていて…血玉がぷくぅと膨らんだ。
それをそっと唇に含む。
落とした本を拾い、逆にしてぶんぶん振ったら…カランと音を立てて、刃物の先のような、鉄の板が落ちた。
「……んー…嫌がらせな予感…?」
苦笑いを浮かべる彼の名は、ルナティス。

 

みんなが各々向かった狩りから帰ってきたのは日が沈みかけたころ。
「あれ…今日の食事当番ルナだよな…?」
相変わらず殿方が目のやり場に困る格好をした、ブラックスミスが額に青筋を浮かべた。
色素の薄い金髪を肩まで流す彼女は、顔だけは美人。性格はちょっと問題あり。
彼女は今猛烈に腹が減っているらしく、今にも暴れだしそうだ。

「でもルナティスさんが当番すっぽかすなんてことは無いと思いますけど…」
アコライトのセイヤがそっとフォローするが、その相手はここにはいない。
アコライトらしい穏和な性格、だが時々凶暴性がみえる彼は、ルナティス崇拝者らしい。赤茶っぽい、短い髪で愛くるしい顔立ちがお姉様に人気がありそうだ。

「んなこた分かってるが、現実はいない。そして飯もない。よって拷問決定!」
「そんな決まり今までなかったろう。」
むしろそれをしたらお前自身が何度拷問されてるんだ、とそこまでは言わないが思うのは典型的聖職者のお堅いクルセイダー・レイヴァ。
体格ががっちりしていて、馬鹿力が自慢で、初対面の人は必ず第一印象を『怖い』というが、慣れればなかなか頼りになって、優しい彼だ。

「……何処かへ食べに行くか」
アサシン、ヒショウの発案に一同が頷き部屋を後にする。
普段でもアサシンマスクをしている事が多い彼だが、マスクをしていてもその人形のような凛とした美しさは隠しきれない。

「俺は留守番する」
と、部屋に残ったのは言い出しっぺのヒショウだった。
一緒に行こうと普通なら言うところだが、みんなは何も聞かずに了解した。
それは彼がルナティスを心配しているからだろうと思ったからだ。
二人は恋人同士…ではないものの、ヒショウは恐らく友情・ルナティスの場合は愛情でがっちり結ばれた仲だから。
「じゃあ、留守番よろしくー」
「ルナティスさんとヒショウさんの分、お土産で持って帰ってきますね!」
マナとセイヤの声を残して、みんなは部屋を出て行った。

 

ルナティスが読んでいたのだろう本が枕元にあったので、ヒショウは暇な時間を読書をして過ごしていた。
どこかの国の神話だ。だが彼は神は信じないらしい(プリーストなのに)。
読書もあまり好きではないらしい。
なら何故こんな本を読むのかというと…ヒショウが昔よく、神話を読んでいたから、らしい。
何かと、ヒショウ、ヒショウと言う彼を思い出し、口元に笑みが浮かんでしまう。

「ただいま〜」
速読で半分ほど読んだ頃、ルナティスのいつも通りの声が室内に響いた。
「おかえり」
「あれ?ヒショウ…みんなは?」
彼はきょろきょろと周りを見回す。その様子は、いつもと変わりはない。…なんだか服が汚れているが。
「お前が夕飯を作っていなかったから、外へ食べに行った。」
「ああ!!!今日、僕が当番か!!!」
しまったー!と叫びながら彼は頭を抱えた。要領の良いはずの彼にしては珍しく、忘れていたようだ。

「それはそうと、こんな時間まで何してたんだ?今日の狩りは午前で終わるって…」
「そうそう、聞いてくれる〜?戦利品売りに行ったらすごい可愛い子に逆ナンされちゃってさぁ。でも僕ヒショウ一筋ジャン?
だから断ったら逆ギレされちゃってなんかいろいろ投げつけられたりスキルぶっぱなされたりして〜
やっとの想いで逃げ切ったと思ったら今度はにーちゃんにナンパよ。
しかも今度は断ったら無理矢理ヤラれかけたわけさ。僕、殴りでよかったぁ。
それにしても男にも女にもモテる僕ってすごくない?」
「ものすごく哀れに思う。」
それでそんなに服が汚れてるわけか…、納得。
ルナティスはそれをさっさと脱いでベッドの上に放り出した。

「ってわけでー、ヒショウ口直しにヤラせてー!!!w」
「は!!?マテ、もうみんな帰ってくる…ってうあっ!!」
ベッドに腰を掛けていたヒショウに飛びついて、そのまま押し倒す。
彼の膝に乗っていた本が、ベッドの下にバダッっと落ちた。
アサシン装束のズボンにシャツだったヒショウは、アサシン装束を防具まできっちり着込めばよかったと悔やんだ。
「コラやーめーろー!!!」
「そんな白い腕とか首とか鎖骨とか出してたら襲わずにいられるわけないだろ〜♪」
「やめろ脱がすなこの変態!!」
彼のシャツを胸の上まで捲りながら首筋に吸い付き、それから露わになった白い胸板を舌でなぞる。
「あ、ッやめ…っ」
胸の突起を舌と指先でいじり、ヒショウの足をズボンの上から撫でる。
彼の足の間に腰を割り入れて、彼を完全に組み敷いた。

「ッ、みんな、が…帰ってくる、から!」
「いいよ。別に」
「いいわけないだろが!!!」
ルナティスは舌打ちして、じゃあ…、と彼の唇に、自分のものを重ねた。
「キスだけならいい?」
「ッ…」
ヒショウの背に手を回し、その体をぎゅっと抱きしめながら、口づけを深くしていく。
彼ももう観念して、ルナティスの舌を大人しく受け入れる。
口内を荒らすそれは頭をぼーっとさせて官能的に心地よい。
こうされると、ヒショウも憤りを感じ始めてしまうが、それを理性でかろうじて押さえつけていた。

 

「ただーいまぁ!!ルナティスは帰って…………」
お弁当箱を抱えたマナやセイヤがづかづか室内に入ってきて………固まった。
上半身裸のルナティス(法衣の下は何も着ていなかったらしい)が、ヒショウを組み敷いて服を脱がせにかかりながらキスをしていたから。
間違いなく、ヤルのであろう体勢。
「んっ!うう、ん!!…ん─────!!!!!!!(怒」
ヒショウが必死に暴れるが、頭を両手でがっしりと押さえつけられてキスから逃れられず、声も上げられずに藻掻いていた。
「ああ、お邪魔だったら出てくけど、40分くらいで済ませてねー!!
やたら楽しそうなマナが、唖然としているレイヴァと、泣き出したセイヤを引っ張って部屋を出ようとする。


ぎゃあああああ!!!!!!
出て行こうとした瞬間ルナティスが悲鳴を上げて倒れたので、3人は立ち止まった。
ぐったりしているルナティスを遠慮無く突き飛ばして、ヒショウはそそくさとベッドの端に逃げている。
セイヤはわけが分からぬままルナティスに駆け寄り、ヒールを連発する。
「ルナティスさん!!一体何が!!?」
「ヒ、ヒショウ…今のは…同じ男としてやっちゃいけないと、思うよ……?」
「自業自得だ阿呆!!」
脂汗を流すルナティスは体を丸めてしばらく唸っていた。
つまり
ヒショウに思いっきり股間を蹴り上げられたのだった。

 

今夜はもう懲りたらしいルナティスは、それから大人しくしていた。
よく見れば体のあちこちに出来ていた青あざや擦り傷をセイヤとレイヴァに細かく治癒してもらってから、お土産の夕飯を軽く食べて、その日はさっさと寝床についてしまった。
いつもならセイヤや、ウィンリー(今回は里帰り中でいないが後輩のアーチャ)と一番遅くまで騒いでいるルナティスだったが…今日は流石にいろいろあったので疲れたのだろう。
メンバーの話題の元ともいえる彼がいないせいか、いつもより早く夜はお開きとなった。

 

 

 

「……ん…」
体が、動かない。
体の上に何かが乗っているように重い。
…金縛りか?
「…ん!…んん!」
声も出ないことに気がついたが、それが金縛りではないことにも同時に気がついた。
思いっきり猿ぐつわらしき感覚があったから。
体も、手足を縛られている。
自分の上に誰かが覆い被さってきた。
月明かりの中に…ゴブ仮面が浮かぶ。
…めっちゃ怖い。ものすごく怖い。
「………」
変質者はクスクス笑いながら、眩しい月光を背景に…光るナイフを掲げた。
「んぅ、ん!!?」

 

 

 

 

 

「るぅーなぁー朝飯できたぁー早く起き……あれ。」
マナがノックもせずにづかづかとルナティスの部屋に押し入ってきた。が、ベッドはもぬけの空。
どこに行ったのか思ったが、すぐにバスルームからシャワーの音が聞こえているのに気がついた。
「ルナー?」
バスルームのドアを遠慮無くガチャリと開ける。
「うわ!?マナ!?開けるなって閉めろ閉めろ!!」
これでもかというほど充満した湯気で残念ながら(?)よく見えなかったが、うっすらとルナティスの姿と、彼の慌てる声がした。
「てゆーか、朝飯ー」
「分かった分かった!閉めろって!」
「なんだよケチー」
マナがそんなこと言って、やっとドアを閉めて出て行った。

「はぁ……」
かなり驚いた。
いきなり一応女性に入浴中のバスルームに入ってこられたことじゃなくて…
「…ヒール。」
この不自然に傷だらけな体を見られそうになったことに。
昨夜、不審者に侵入されたと思ったら縛られたまま裸に剥かれて、
何をされるのかと思ったら意味無く肌をナイフで切られたり、なんかベトベトぬるぬるしたもの塗りつけられたり…
本当に訳が分からない。
まぁ、貞操の危機にならなかったことだけは不幸中の幸い。
しかも、いつの間にかその不審者が去ったと思ったら、その情けない格好で縛られたまま放置されて…
先ほどやっと手足を縛る縄を根性で抜け出して、バスルームに入ったところだった。
体中にヒールをかけながら、隅々まで洗う。

 

「おーはよー」
いつものプリーストの法衣…ではなく、ラフな普段着を着込んで、ルナティスは食卓へ出た。
みんなはもう、並んだ朝食を少し食べ始めていた。
「おはようございます。…今日は狩りないんですか?」
セイヤが、彼の格好を見てだろう、そう言って首を傾げた。
「いや…ヒショウとマナと行くはずだったんだけど、ちょっと今日具合悪くて…僕抜きじゃだめかな?」
ルナティスが申し訳なさそうにそう言って、ヒショウとマナを見る。
「…一応回復役が欲しいところだが。どうしたんだ?お前が体調不良なんて珍しいな。」
「うん、昨日からなんか…」
「ヒショウ、恋人のツライ気持ち分かってあげなよ…」
突然そんなことを言って割り込んできたマナに、ヒショウが「誰が恋人だ」とかツッコむが、迫力と説得力がない。
「でもツライ気持ちってなんだ?」
「アレよ。ルナティスは今日、アレの日なのよ」
「アレ?」と、ヒショウばかりでなく、レイヴァやセイヤや、ルナティス自身も首を傾げる。
生理。

「「「「んなわけあるかぁあああ!!!!!」」」」
男一同心からの叫び。
「違うの?」
「当 然 !!ヒショウがそうなるのは分かるけど」
「マテコラ」
「俺は男だからネ!!間違っても男だから!!」
「じゃあ俺は女だとでも言うのか。」
彼の悪ふざけに頭にきていたヒショウのフォークミサイルを、ルナティスはアサシン顔負けの見事なステップでかわす。

「じゃあ、なんでお前のベッドに血がついてたんだ?」
「え……」
その言葉で一同が固まった。
「ルナティス…まさか本当に生r」
「違う!!」
「どこか怪我でもしたんですか?」
「いや、特に……」
ルナティスがやや口ごもる。
マナが部屋に来る前に、シーツに染みついた血は掛け布団で隠したつもりだったが…彼女はわざわざめくったのか。

「ルナティス、まさか…」
ヒショウが眉間に皺を寄せる。
彼には余計な心配はかけたくないから、言い訳を考える。
が。
……痔?
彼の天然ボケの前に、言い訳など必要なかった。
ヒショウはみんなが反論しないし(笑いを堪えて藻掻いていてそれどころではない)、ルナティス自身も否定しない(脱力しすぎて否定する気にもなれない)ので、なんだかその結論に納得している。

みんなは笑い転げているし、ヒショウは納得したので、この隙に彼は朝食を終えて、ベッドに戻っていった。

 

 

その日の夕方。
もうみんなは帰ってきたというのに、ルナティスからレイヴァにわざわざ耳打ちで呼び出しがあった。
「ルナティス、入るぞ。」
マナとは違い、彼は律儀にノックをして入ってきた。
入った先では、ルナティスがシーツの剥がされたベッドの上で、上半身裸になって座り込んでいた。
「ごめん、わざわざ呼び出して。」
「それはかまわんが…一体どうした?」
「ちょっとさぁ、森に行ったらいきなり鳥に襲われたり、猫に引っ掻かれたりしたんだよ。大体は自分で治したんだけど、背中の方、しっかり治せないから治してくれない?」
言われた言葉に、レイヴァが眉根を寄せた。
一体何をしに行ったんだ、とでも言いたいのだろうが、彼は何も言わずにベッドに近寄る。
ルナティスがごろんとうつぶせになって治療を受ける体勢になった。
……が。
「レイ?」
レイヴァはなかなかヒールをかけてくれない。

…傷だらけのその背中。
それ以外は自分で治したのだろう。大体塞がっている。
だがレイヴァが唖然としたのは、その傷の量ではなくて…
「…ルナティス。これは…」
「ん?何?」
彼はいつも通りの声で聞き返してきた。
その中には“何かを隠している様子”は見られない。
…全く、自分を押し殺すのが得意な男だ。

「…この傷、モンスターにやられたんじゃないな?」
「え、何で。僕が人様に喧嘩ふっかけたとでも?」
そんなことするか〜?この僕が。
明るい声で言いながらコチラを見てくる彼を、軽くにらみつけた。
「隠すな。ルナティス」
低い声で、囁く。
俺には、隠すな。
視線と声で彼にそう言いつけた。
ルナティスはしばらく何も言わずに、視線を反らすこともせずにそのままでいた。
不意に、腕の中に顔を埋めてため息をついた。
観念したのだろう。

「……レイ…僕の背中、どうなってるんだ?」
「……傷で…文字が書かれている」
言うと、ルナティスはガクンと肩を落とした。
「くそーそうきたか…。ちなみになんて書いてある?」
これは…言って良いのだろうか。
彼の為にも言わない方が良いのかも知れない。
…でも隠すのも彼の為になりそうもない。
「…“俺のモノ・触るな”」

ずいぶんと長い間沈黙が続いた。
「うわやだきもっ!!ちょっと早く消してくれっ!」
彼はそっとルナティスの背中に手をかざし、ヒールを唱える。
彼の傷が癒えても、2人とも表情は冴えない。

「……ヒショウには言わないでくれる?」
「…もちろん。…だが」
逃がさんといわんばかりに肩を掴まれる。
「…俺には話してもらう。仲間がストーカーされているのを見て黙っていられる器ではない」
「…分かったよ。」

ルナティスはおとなしくその詳細を話した。
最近、やたら悪質な悪戯をされること。
影から攻撃してきたり、寝込みを襲われたり、過剰な嫌がらせ(?)をされることもあること。
「てっきり、僕に恨みでもある奴かと思ったけど…」
「背中の不気味な文字からして、ストーカーか…」
「ねー。」
余計にタチが悪い。
ってゆーか気味悪い。ルナティスは肩を落とした。
「…ヒショウが知ると、あいつ何をしだすか分からない…。下手に動いて、ヒショウまで火の粉を浴びるのは避けたいんだ。」
「…その辺は分かっている。だから、何かあったらすぐに俺に言え。」
「うん。ありがとう。」
そう言ってルナティスはいつもと変わらぬ笑顔を浮かべた。

 

そして、その“何か”は翌日いきなり来た。
『レイ…暇だったら助けに来て欲しいんだけど…』
レイヴァに突然届いたルナティスからの耳打ち。
緊急事態じゃないけど…、と付け足す彼だったが、彼の性格上、よほど困らないと助けを呼んだりはしないだろう。
ヒショウは武器の物色に夢中でこちらに気を向けていなかった。
狩りはないというのに装束に身を包んでいる後ろ姿は、こちらを見る気配はない。
それを確認してからそっと離れて、返信を送る。
『すぐ行く。何処だ』
『公共の大浴場…』
『分かった。』
耳打ちを終えると、ヒショウに歩み寄った。
「ヒショウ」
彼は振り返る。
「急用ができた。知り合いから救助の要請だ。行っていいか?」
「ああ」
彼は普通に頷いた。
「すまない。」
レイヴァは足早にその露店を離れた。

 

今日が狩りではなくて良かった。
戦闘服ではこうゆう公共の場は少々入りづらかっただろう。
耳打ちで聞いた通り更衣室に向かう。
…入場料は後でルナティスに頂くことにした。

更衣室に入ると、ルナティスがぐったりと壁に寄りかかっていた。
壁に背を預け、腰元に大きなバスタオルをかけて、両足を投げ出している。
「ルナ!大丈夫か!」
走り寄って肩を掴む。風呂上りだからかもしれないが、体は異様に熱かった。
「…あ、レイヴァ…おかえり」
「何を寝惚けているんだ。大丈夫か?」
「ん…水が、欲しい」
ルナティスは全身に汗を掻いていて、顔もやたら赤い。
ただ単にのぼせただけのような様子。
「分かった。飲み物でも買ってくる。」
レイヴァは外にジュースが売っていたのを思いだし、立ち上がった。

だが、入り口に人がいるのを見て立ち止まった。
「…あ…」
誰かはすぐに分かって、思わず閉口して、どう反応したらいいものか分からなくなった。

「…ヒショウ…何故此処に…」
「…レイヴァの後を…追ってきた。」
ヒショウはそう言って、彼の脇をすりぬけてルナティスの傍らに膝をついた。
「ルナティス。口を開けろ」
ヒショウは持っていたジュースを彼の口元に出す。
わずかに開いたルナティス口の中に、それを注ぎ入れた。
それから彼は、喉を鳴らして夢中でそれを飲み干そうとした。脱水症状を起こしていたらしい。
やたらがっつくくせに上手く飲めず、唇の端からジュースがこぼれ落ちる。
「一気に飲むとよくない。ここらで少し我慢しろ」
ヒショウはそっとジュースを離した。
しばらくルナティスはぼんやりと深い呼吸を繰り返していたが、次第に意識もはっきりしてきたようだ。

「何があった、ルナティス」
ヒショウが聞くと、ルナティスは困ったように笑った。
「気持よくて、サウナ入ってたら、のぼせちゃって…」
「…ルナティス」
ヒショウは険しい顔をして、ルナティスの頬を手で包んだ。
一瞬触ると冷たいのに、そのうち熱くなってくる。彼の体に熱が篭っているのだろう。
「お前のことだから俺に心配かけまいとしているんだろうが、俺はその方が不安になる。」
「何、が…?」
まだシラを切るルナティスをちょっと睨みつけた。

「ただのぼせただけなら、こんな大浴場で法衣がズタズタになってるわけがないだろう。」
それを聞いて、レイヴァは始めて、棚の中に置かれたルナティスの服がズタズタに切り刻まれていることに気が付いた。
ルナティス自身も、のぼせて視界がぼやけていたせいで気づいていなかった。
あれではどうやっても着れそうにない。
モンスターにやられた、などという言い訳も通じないだろう。
「ルナティス…お前が最近おかしいのには気付いていた。それでも何も聞かずに我慢していたんだ。…これだけ待っても解決しないのなら…もう、いい加減に教えてくれないか。」
ヒショウはぎゅっと眉根を寄せる。
ルナティスは、もう隠せそうにもないのでおとなしく、レイヴァに話したように、彼に話した。

 

「それで、今日…お風呂入ってたら、思いっきり殴られて…気が付いたら、ドアをガッチリ閉められたサウナの中に閉じ込められてた。
その時もー脱水症状で、脱出に手間取っちゃって…」
それを聞きながら、ヒショウは終始無表情だった。
「そうか…。それで、お前は犯人を見つけようとか、極力避けようもしなかったのか?」
「いや、してたけど…どうも、こっちの行動読まれてるみたいで…」
ヒショウは無表情で、視線をめぐらせていた。

 

 

その日の夜。

「………。」
ルナティスはちょっとばつが悪そうに部屋に視線をめぐらせていた。見慣れた自分の部屋なのに。
「………。」
彼が時折みつめる先には、ソファで本を読むヒショウの姿。
明かりはついていないが、夜目が利くので月明かりで十分読めるようだ。
「…あのさ、ヒショウ…別に、見張ってもらわなくてもだいじょう…」
「いいから寝ろ。」
いつになく強い口調で言われ、黙り込む。
別にルナティスを怒っているわけではない。
これ以上彼に手出しをさせまいと、必死になっているだけだ。

「………。」
さっきからずっと、妙な違和感を感じていた。
ここにこうしているのは犯人を捕らえるため。
だから、人の気配か視線がすれば、すぐにハイディングして身を潜めるつもりだが…
いくら待っても怪しい気配はない。視線も感じない。
相手がアサシンのように、身を潜めることに関してのスペシャリストということでなければ、相手に気づかれる前に隠れられる自信はある。
自分の存在は相手に知られていないはずだ。
けれど、相手は一向に現れる気配はない。
では、今夜は来ない?

否。
自分の何かが…第六感というものが、そう言っている。
こんなにも、何か違和感を感じているのだ。
相手はルナティスに手を出さずとも、様子見くらいには来る。
ヒショウの勘は当たる。それは本人も自負していた。
「…ヒショウ、もう遅い。多分今夜は来ないよ。寝よう?」
「……。」
眠気はないが、もし寝てしまったら…また、犯人が来る。確信に近い勘があった。

…ヒショウが油断すると来る?

それはつまり、ずっと見られているということ。
「……そうか。」
これは勘ではなくて…ヒショウ自信がずっと感じていた、微かな視線であったことに気づいた。
おそらく、直接見ているのではなくて、何かを通して。
または、盗聴されているのか。
ルナティスは、こちらの行動が把握されているみたいだ、と言っていた。
だとしたら、盗聴、盗撮の可能性はたかい。
「……。」
彼に、別の部屋へ移動してもらうか。
いや、そうしたところでわずかな時間稼ぎにしかならない。
すぐに犯人はその部屋をつきとめるだろう。

これ以上、ルナティスに嫌な思いはさせたくない。

「……ルナティス。昨日はよく眠れたか?」
ヒショウが何も無いところをじっと見つめながら、ぼんやりと聞いてくる。
「ぇ、まぁ…そこそこ。」
「…そうか。なら…」
ヒショウがテーブルに本を放り出して、ルナティスの寝ているベッドに乗り出す。
ギシッと、きしむ音が、静寂に響く。
「…今夜は寝るな。」
声を低くして、ルナティスに囁き
彼の両手首を掴んでベッドに押し付けた。
「ッ!?ヒショ…っ!」
彼の唇に自分のものを押し付けて…
ルナティスはうまく唇を開いてくれない。
流されてくれるつもりはないらしい。当然だろう。
ルナティスは抱かれる側の経験をしたことがない。
もちろん、それだけではないが…

彼のTシャツをたくし上げて、嫌がる彼を強引に脱がし、シャツをひじ辺りに引っ掛けた。
ひもか何かの変わりの、即席の拘束だ。
以前にルナティスにやられたことのマネだが…。
今まで、どうやって彼は抱いてくれたか
そんなに数多くも無いが、体が覚えている。

ヒショウからこんなことをするはずがない。
何か狙いがあってのことだろう。
「ヒ、ショ…まさか…ッ」
犯人の怒りを買って、自分を狙わせる気か。それにルナティスが気づいた。
それだけはさせたくなかった。
「っん!!」
口の中に、何か突っ込まれる。
タオルの端らしいものが口いっぱいに詰め込まれ、口内が乾いて苦しい。
ルナティスがヒショウの狙いに気が付いた、と知って、何も言わせないようにしたのだろう。
――ルナティス…すまない。
ヒショウからの耳打ち。
――本当にする訳じゃないから、少し我慢してくれ。
優しい声とは裏腹に、腕をヒショウの装束の帯でベッドに縛りつける動きは乱暴だ。
ルナティスはいやいやをするように首を振った。

――やめろ…ヒショウを巻き込みたくない!
――俺は…もうお前に嫌な思いをさせたくないから
――ヒショウ…!!
彼はもう応えず、首筋や胸に唇を滑らせる。
その動きはたどたどしく、熱を持っていない。

どこまですればいいのだろう…?
これを見ているなら、聞いているなら、早く動きを見せてくれればいい。

「…っ、うっ…」
ルナティスの胸が苦しそうに上下する。
布を喉の方まで詰め込みすぎたか…。けれど、今はそれを取ってやることは出来ない。
「……。」
彼が苦しそうに顔を歪めている。
それを見て、手が止まる。

ダメだ、犯人に…俺がルナティスを犯していると思わせなければ…

 

―――ヒショウ…
ルナティスの耳打ち。
いつものように優しい声。
けれど、目の前にいる彼は、息苦しさに涙を浮かべている。
―――無理、しないで。お前がつらい思いをする必要はない。
―――けどっ…
―――…ずっと、お前に言わなかったことは謝る。ヒショウの気持ち、考えてなかった…。
ごめんね、と、なだめるように優しい声が耳元でする。

「……!」
この状況で人の気配に気付いたのは、奇跡かもしれないと思った。
バルコニーに誰かがいる。
「きた」
彼の耳元でそれだけ囁いた。

―――…もう後戻りはできない。ルナティス、あとは俺にやらせてくれ。
耳打ちでルナティスにそう告げた。
彼は不安というより、心配そうにこちらを見てきた。
反対されるかと思ったら、次にはうなずいてくれていた。
―――頼む。でもあまり無理はするなよ。
ルナティスが少しでも自分を頼ってくれるのが、なんだか嬉しかった。

 

 

 

行為を終えた、そう見せて、ヒショウはベッドから降り、バスルームへ向かう。
シャワーを開いて、カーテンを閉める。
ただしその中には入らない。
ただ水の音が響くだけのシャワールームを後にする。
「……。」
壁に体を寄せ、フッと息を止め
闇に紛れた。
彼の体はどこにも見当たらなくなる。
クローキング。

 

「……。」
ルナティスはベッドに仰向けになって、深く息をついていた。
試しに犯人の気配を探ってみるが…さっぱり分からない。
警戒している相手のものは、ルナティスにはさっぱり分からないのに…
だがヒショウが言うのだから、いるのだろう。
「……。」
ただ、疲れて眠ったフリをする。
本当に眠気に襲われ始めたとき、バルコニーへ続く大窓の扉が、音を立てた。
来た。
「……。」
思わず、声を上げそうになった。
ルナティスは目をつぶっているので分からないが、誰か入ってきた。
足音が慎重に、ルナティスに歩み寄る。
…ヒショウが見ているはずだ。
自分はただ、眠ったふりをしているだけでいい。

 

「…俺のものだと…手を出すなと…言ったのに…!!!」

高くも低くもない、青年の怒りに打ち震えた声。
その殺気は…ルナティスに向けられていた。
目を開くと、自分に向かって振り下ろされようとしている刃物が、薄暗い部屋の中、月に照らされて輝いていた。
避けようと体を動かす前に、その刃物は視界から消えうせた。
ヒショウがその持ち主ごと殴り飛ばしたのだ。
壁際まで飛んだ犯人と、ルナティスの間に入る。
アサシン装束を軽く着込んだだけで武装はしていないが、カタールだけはしっかりと両手に握り締められていた。

丁度月が雲に隠れて暗くなり、犯人の姿がとらえられなかった。
ヒショウが相手との間合いを取り警戒して近づかないようにしながら、月が顔を出すのを待っていたが
その前に犯人は窓から飛び出した。
音もなく、ヒショウもその後を追って飛び出す。
「…あっ…」
それは一瞬のできごとで
ルナティスはかなり遅れて、静寂の中で我に返った。
ヒショウとは事前にパーティーを組んである。
冒険者カードを通してパーティーを組んであれば、正確ではないが、大体の相手の位置は把握できる。
そのイメージを探りながら、すぐ近くの暗い林の中へ走っていった。

 

月が雲に隠れてしまった。
あまりに暗くて、見失った。
―――しまった…。
足音を頼りにしようと思ったが、もうそれも聞こえない。
もうだめか、そう思ったとき
木の陰から人影が現れた。
犯人か、姿は良く見えないが…
それは、こちらを確認すると、また背を向けて走り出した。
―――逃がすか…!!
ヒショウは慌ててそのあとを追う。

何故、それが、わざわざ姿を見せてから逃げ出したのか…
慌てていたせいで
それが罠であるからと
気づかずに。
「ワープポータル!!」
「なっ!!」
目の前を行く男が、プリーストだとは思わなかった。
一度隠れた時に座標を定めてあったらしく、ヒショウが反応を起こす間もなく
その異空間への扉は開かれた。
丁度、ヒショウの真下に。
シュンッと音をたててヒショウの姿は掻き消え
その後をプリーストも追い、役目を終えた扉は夜の闇に消えた。

雲が晴れ、顔を出した月の明かりに照らされたその林の一角には
もう人の姿は見当たらない。

 

 

出た先も、入る場所と同じような林。
林と言うより、森…?
それも、深く、清く、匂いも濃い。
フェイヨンあたりだろうか。
「レックスディビーナ!」
ワープポータルの不意打ちから体制を立て直すまもなく、技を封じられて

「ホーリーライト!!」
「なっ」
しかも即、攻撃された。
バシッと音がして、光が目の前で弾けた。
全身に衝撃が響いてふらついた。
3,4発でやばそうだった。
切羽詰りながらプリーストにカタールで切りかかる。
だが
その男に近づいた刃が、体に触れることなくバリアにはじかれた。
ハメられた…。
コイツは初めから、ヒショウを狙っていた。
キリエエレイソンを唱えている暇などなかったはず。
逃げ始めたときから、既にかけていたのだ。
全て、計画していたこと…

 

なす術もなく、ヒショウは落葉が薄く積もった地面に倒れた。
体がもう、動かない。
全身の回復機能が働かない。
カプラの生命維持機能で、命をつないでいる状態。
「やっと…」
思ったよりも若い声。
相手はヒショウより年下かもしれない。
けれど、暗くて顔がよく見えない。
だが、うっすら見えるその顔に…見覚えがある気がした。
ヒショウの傍らに彼がしゃがみこんでくる。
本来ならモンスターにはこれ以上手出しされることはなく、命の保障はされる。
だが、今の相手は人間だ。保障などどこにもない。

 

―――ヒショウ、無事!?

ルナティスから入ったパーティーチャット。

―――…やられた。今、仮死状態中だ。
―――うそ!そんなに敵強いのか!?
―――相手は多分支援プリーストだ…図られた。初めから俺を殺すのが目的だったんだ。
―――…プリースト…?とにかく、今そっちの居場所を確認した。みんなでそのエリア虱潰しに探す!!
―――分かった。

 

今、できるのは
彼らが見つけてくれるまで、時間を稼ぐこと。

「…お前は誰だ。」
話すのは楽だ。
仮死状態中はかろうじて話せる。そのかわり体は凍ったように微動だにしないが。
「…ずっと、この時を待っていたんだ…」
「質問に答えろ!!お前は誰なんだ!!」
苛立たしげに声を荒げ…ようとしたのだが、仮死状態でもそれはつらかった。
少し喉に何かが詰まるような感覚がした。
「…プリースト。」
それは分かっていた。
「ルナティスさんの後輩・セイヤの先輩だ。」
「…教会の…?」
プリーストやアコライトには、ただ冒険者として過ごす者や、しっかりと教会に務めるものや
冒険者をしながらも教会にバイトの様に通うものがいる。
ルナティスとセイヤは後者なので、この青年もそうだろか。
それでおおかた、ルナティスに惚れてストーカーか…
「それで、アイツに思いを寄せてストーカーか・・・?聖職者も落ちぶれたな…!」
「それは違う。あんなやつなんとも思わない。」
即座に彼は答えた。

不意に…雲が夜風に流されたのか、月明かりが降り注いだ。
草や木々が異様なほどにはっきりと見えた。
その聖職者の顔も。

ヒショウは目を見開いた。
「お前は…リオラ…?」
対して親しいわけではない。
ほんの少し年下で、森に良く似た緑の髪の大人しくて優しそうなプリーストだった。
ただルナティスのコネで、二度だけ彼に支援役として、ギルド狩りに参加してもらっただけだった。
ヒショウより、ルナティスやマナと親しく話していた。
人の顔と名前をよく覚えるヒショウでなければ、普通は忘れているような間柄だ。
ヒショウが彼の名を呟いた瞬間、彼は目を細めて嬉しそうに微笑んだ。
「覚えてくれてたんだ。忘れられてると思ったのに」
何気ない動作で、ヒショウの頬を撫でる。
あまりにも違和感がない。だが嫌悪感がはしった。
「やっぱり…前に見たときより、こんな夜の方が綺麗だ。」
熱っぽい声でそんなことを呟きながら、頬や首筋をなぞる。

そうされて、頭の中でじつに単純なパズルが動き、解けた。
彼が思いを寄せていたのは、ルナティスではなくヒショウ。
ルナティスが受けていたのはストーカー行為ではなく、れっきとしたイヤガラセ。
そして彼の背中に刻まれたという文字『俺のモノ、触るな』は
ルナティスに対しての「ヒショウに触るな」という忠告だったのか。

「…………。」
ヒショウは「なんでこう男にばかりモテるんだろう」と、場違いなことを考えて悲しくなっていた。
別に、女にモテたいとは思わないが、男にモテたいなんてもっと思わない。

リオラがそっと顔を寄せてくる。
月明かりが彼の顔に隠れて見えなくなった。
「聞きたいんだが…」
冷静な口調だが、内心かなり焦ってそう口に出した。
口付けなど受けたくなかったから。
リオラは一応止まったが、“マテ”と言われて従う犬のようにもどかしそうだった。
「ルナティスとはずっと不仲だったのか。」
「…別に。でも敵だった。」
「何故」
「ヒショウに手を出した。」
「…。」
―――だから何で…みんなこう…

なんだかわけも分からず悲しくなった。

「お前は本当に俺を好きになったのか?」
時間稼ぎのために、やたら質問を続けた。
それに大人しく従って、強行などせずにリオラは答えてしまう。それが彼の純粋なところか。
予想以上にヒショウがずばずば話しかけてくることに、リオラは少し焦っていた。
ヒショウ自身も、こんなに自分がベラベラ話せるものだとは思わなかった。

「ただ単に子供の意地でルナティスに対抗したかっただけじゃないのか。」
怒らせるかもしれない。それは状況的に良くないだろうが…それでも、言いたかった。
リオラは唇を噛んでしかめっ面をしている。それこそ子供の怒った顔だと思った。
「もし本当に好きだったというならもう終わりだ。お前は俺の親友を傷つけた。俺自身にも最低なことをしようとした。」
怒りというよりも、ただいたたまれなくなって睨みつけているような彼と、目があった。

「…好きにすればいいさ。俺を…痛めつけるなり、犯すなり、殺すなりすればいい。
お前みたいな世間知らずの幼稚な愚者は、もう何を言っても無駄だろうからな。」
かなり酷いことを言っていると思った。
いつもなら、他人には軽い悪口さえも言えない。
他人が傷つくのは、自分が傷つくよりも嫌だ。
だが、それが今では相手の自尊心を何も思わずに傷つけている。
どうやらそうとう頭にキているらしい、と自分のことを他人事のように思った。

「なら、そうさせてもらうからいい…!」
リオラが平手でヒショウの横っ面を叩いた。対してダメージなんてない。
そして苛立たしげに装束の上を、持っていたナイフで切り裂いた。
どうやらヒショウにとっては、ある意味一番されたくない方を選ばれたらしい。

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萌えの欠片もないけれど、ルナティス×ヒショウとか思いっきり内輪ネタをやりたかったふー。です。y=ー( ゚д゚)・∵.
実はとても前に書いた話で完成諦めてましたが最近設置したWEB拍手で「ヒショウが意外と好き」と言ってくださった片がいたので、ちょっと嬉しくなって完成させてしまいました(´ω`*)(単純)
あぷろだ以外で全体的な感想を貰ったことがなかったのでとっても嬉しかったですw
なんだかRO♂萌え仲間の貴方のハートに急接近できたような気がしy=ー(゚∀゚)・∵. ターン(怪)

ヘタレですがヘタレですが駄作ですが_| ̄|...........○
あまりに長くなったので二話に分けました。
加筆修正したらまたおどおどしながら投稿します、呼んでくださっている方はもう少々お付き合いを…ゲフッ(既に瀕死)