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私は家に帰ってすぐに眠りこけてしまった。

だが、仕事服(戦闘服)の寝苦しさに数十分後に目が覚めた。

――――・・・面倒だが、着替えよう。

ベッドから這い出た私はその場で服を放り出し、いつもベッド付近に置いてある私服を手にした。



家に帰ってきたときには日は沈みかけていた。

私の“家”というのは、丘にぽつんとたてられた廃屋。

どこかの家族が、見晴らしがいい、と建てたのだろう。丘の上に立てられた、1人で住むにはもったいないほど広い家だ。

村人は私をなるべく村の中心から離すためにここに住ませたのだろう。

私はこの家の一部しか使っていない。・・・それ以上の部屋を使うと掃除が面倒だ。その為、この家の大半は“廃屋”という姿を醸し出していた。



瑠美那「・・・ん」

いかん、服も着ずに、たったまま眠りかけてしまった。

私は手にした服をさっさと着ようと・・・

瑠美那「・・・・」

した、瞬間、開けっ放しの部屋の外に発生した気配と目があった。

瑠美那「・・・」

・・・「いや〜、『仲が悪いけど、心の奥底では惹かれ合っている少年少女の“お風呂でばったりシーン”』って感じだね」

私は手近な、堅くて投げやすいモノ=花瓶をそう言い放ったヤツに投げつけた。超豪速球で。

そしてその花瓶は、避ける暇もなく相手の顔面を直撃した。

瑠美那「クラウディ、入るときにはノックぐらいしろ」

その人物、クラウディがもがいている間に私はさっさと服を着た。

クラウディ「いた〜〜・・・、せっかく夕食持ってきてあげたのに〜・・・」

この男に夕食をもらうなどできるものか。

・ ・・これといって嫌がる理由はないが、なんだかイヤ。

瑠美那「頼んでない」

クラウディ「なんで〜?おなか、空いてるんでしょ?帰ってきたばかりみたいだし」

・ ・・そうだな、確かに空いている。

瑠美那「じゃあ、それ置いてさっさと帰れ」

クラウディ「なんで?一緒に食べようよ」

言うと思った・・・。コイツは何故が私の所へ来てはこうゆうやっかい事を・・・

瑠美那「なら、夕食もいらん。かえ・・・」

再度言いかえし終わる頃には、食卓には御馳走がずらりと並んでいた。

瑠美那「・・・おい、何処からコレを出した」

クラウディ「どこからって・・・。四次元ポ・・・」

瑠美那「他者の漫画の内容をパクって著作権侵害するな。」

クラウディ「はいはい。それよりも、食べよう」

なんだかさらりと流されてむかついた。

だが・・・私は並べられた料理の数々が出す、あまい誘惑に勝てず、彼の向かいの席に座った。


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